合気道「こころとからだ」のクリーニング、習慣を変えることの難しさ

合気道の本質は、日本古来オリジナル「こころとからだ」のクリーニング方法である「みそぎ(禊ぎ)」と、同じく日本古来オリジナルの生命力アップ方法である「むすび(産霊)」です。

今回は、「こころとからだ」のクリーニング方法である「みそぎ(禊ぎ)」では、何をクリーニングするのか、について書き進めます。

クリーニング方法における「みそぎ(禊ぎ)」とは

クリーニングするのはエゴ(我・我執・我欲)です。

「自分だけが正しい」「自分だけ良ければいい」というエゴのかたまりで生きる人ばかりでは、合気道の目指す『争いのない調和と平和・共生の「和の文明」を創る』ことはできません。

しかしながら、このエゴのクリーニングが実はとてもとても難しいのです。

なぜならエゴは、精神行動と肉体行動の両方における「習慣」にがっちりガードされているからです。

精神行動における「習慣」とは

精神行動における「習慣」とは、過去の体験(成功体験と失敗体験の両方)から生まれる「思考の枠、言いかえれば思い込み先入観既成概念と、そこから生まれる反応的思考パターンを指します。

人は、ほとんどの場合その「思考の枠」を通して物事を見て、その上で判断しています。事実そのものではなく、事実に自分が加えた解釈を通して判断していると言えます。

文章を式で表すと、以下の通りです。

(「事実」+「思考の枠を通した解釈」)=自分が事実だと思い込んでいるもの

事実そのものではないものを事実と思い込んで、言いかえれば虚像」を自ら創り出して、それに対する反応的思考パターンで自らを苦しめて生きている人が、世の中実に多いと感じているのは私だけではないと思います。

思考の枠を外すことは難しい

ここまでは多くの方が実はとっくに気づいていて、そこで、この「思考の枠」を外す、あるいは組み替えることで自分や自分の人生を変えるための方法を教える本や自己啓発セミナーが、常時人を集めています。

でも、実はそう簡単にはいかないのが現状ではないでしょうか?

本を読んだ、あるいはセミナーを受けた直後には「見えた!」とか「これまでの私とはもう違う」とか思ったとしても、数日たつと、ひどい場合には数時間たつと元通りの自分に戻ってしまっている人も少なくないと思います。

だからこそ、「自分を変える」セミナーがいつまでも人を集めているのかもしれません。

精神と肉体の統合体「一霊四魂三元八力」

なぜ「思考の枠」を外すことは難しいのでしょうか?合気道から見れば理由はシンプルです。人間は、精神と肉体の統合体であって、それを使ってこの現実社会を生きています。

これを合気道の言葉で「一霊四魂三元八力」と言います。

精神分野における変化を起こそうと、どんなに精神分野に働きかけようが、肉体分野にも同時に働きかけなければ、変化はなかなか起きません。

なぜならば肉体行動における「習慣」が、その人をがっちりと、鎧(よろい)のように取り囲んでガードしているからです。

次回は、この肉体行動における「習慣」とは何か、その本質について書き進めていきます。

その過程において、160年以上にもわたり、私たち日本人を縛り付け、苦しめてきた「シークレット・プログラム」とは何か、そしてそれを解き放つ「日本古来の合気道の叡智」についても書いてみたいと思います。

我よしで 生きる心で 眺めれば
他人は敵ぞ 世間は修羅場

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